親はおやつ代を稼ぐために働いている。
久しぶりに晴れた今日。
娘は歌が好きだ。
何かしら口ずさんでいる。
将来は歌手なのか?と勝手に思う母である。
娘はあるこーあるこーと歌っている。
なんの歌詞なのか母にはわからない。
ただ、黙って聞いていると
あぁそうだね、歩くしかないのだと思えてくる。
ワンワン泣きながらでもいいから
歩くこと。歩いていればそのうちいいことも
あるかもしれない。
子供が親にくれるのは
底抜けな明るさと前を向くということ。
なんで泣いてるのかわからないし知ろうともしない。けど、泣いてたらそばにいる。
笑わそうとする。
子供といると後ろ向きになることや、ネガティブになることは吹き飛ばされてしまう。
笑ってりゃなんとかなるよ、そう云わんばかり。
その明るさが私の中のジメジメとした心の湿地帯をカラカラに乾かしてくれるのだ。
無鉄砲な明るさは私を引っ張りはしない。
ただいつも前にいてくれる。
ここへこいと言ってくれる。
だから長いことずっと歩いてこられた。
ジュース片手にケラケラ笑う姿を見るたび
親はこのために働いているのだと
夫はよく言っていた。
親はおやつ代を稼ぐために働いているのだ。
そうなのかな、いやそうかもしれない。
この笑顔のために生きているのだ。